浜口京子 vol.7
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この大都会は万事を受け入れてくれますが、何重にも張りめぐらされた虚構に足元を見失いかねません。
『水道感の中のオルフェウス』の脚本を書いてくれた、キネマ倶楽部マスター佐野栄一さんの言葉です。
今年頂いた年賀状の中で、一番頭にこびりついています。
下北沢 Bar キネマ倶楽部
http://home.netyou.jp/ww/xyz/kinema/index.html
本日(22日)発売の週刊プレイボーイで土山直純くんの写真を掲載して頂きました。
土山君は先天的な病気によって、5歳の時に右足下部を切断し、それからは義足での生活を送っています。
サッカー・剣道等を経験し、高校生になった彼はボクシングと巡り会い、アマチュアボクシングのリングに上がります。
現在の日本ボクシングコミッションのルールでは、義足・義手の選手はプロテストを受験出来ません。
そして彼は、フィリピンに渡ってプロデビュー戦を判定勝利で飾るのですが、そこにたどり着くまで数々の困難があったことと思います。
詳しくは、週刊プレイボーイでライター 林 壮一さんが素晴らしい文章でお書きになっているのでそちらをご覧頂けたら幸いです。
肉体的なハンデはあるのかもしれませんが、悲壮感など微塵も感じさせず、カラッとしている、彼の人間的な魅力に惹かれました。
フィリピンに渡ったのは、ルールの問題もあるのでしょうが、ダメだから外国に行ったというようなネガティブな考え方ではなく、大きい事をやりたいから日本を飛び出したと言います。
そんな土山君の試合が1月24日にフィリピンで決まり、僕も撮りに行こうと決めていたのですが、興行自体が流れてしまったと本人から連絡をもらい、肩をおとしていました。
しかし、それからすぐに、2月に試合が決まったと連絡をもらえたので、フィリピンで彼の勇姿を撮影してきます。
海外での試合は、食事・気候・言葉等々、様々な困難があるでしょうが、そういった困難も含めて自分から目をそらさない土山君を心から応援しています。
Boxer土山直純の天真爛漫BLOG
http://www.tenshin-ranman.com/
”不動心”
僕は、この言葉を忘れません。
昨夜は、”不動心” 坂本 博之さんのラストファイトでした。
セミファイナルの日本スーパーフェザー級タイトルマッチが、3ラウンドにチャンピオン小堀 佑介が1位のチャレンジャー 大之伸 くま を激しくノックアウトした好試合で、超満員の後楽園ホールは熱気に溢れかえります。
そして、『新世界』が流れ、坂本さんの入場です。
これほどまで後楽園ホールを一体感で包み込むボクサーは、ほとんどいないのではないでしょうか。
リングで戦う姿に、往年の煌めきはなく、引退試合の相手としてよばれたタイ人選手に分の悪い試合展開になっているように感じました。
結果は偶然のバッティングで坂本さんが目の上をカットしたため、負傷判定になり、引き分けでした。
僕には、勝ちでも負けでもどちらでもよかったんです。
坂本博之さんが戦う姿を網膜に焼き付ける事ができれば、それでよかったんですね。
ボクサーとしても、人間としても、僕は坂本さんのファンです。
会場がお客さんでいっぱいなら、試合後の控室も記者の方々でいっぱいでした。
取材する人間にも、いつも心配りをしてくれる坂本さんは、記者の方々にも愛される男です。
”不動心”坂本博之さん、お疲れさまでした。
熱い戦いをありがとうございました。
坂本博之オフィシャルサイト
http://sakamoto.kadoebi.com/
こころの青空基金
http://www.kadoebi.com/aozora/
遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。
本年も『心打瞬撮Heart Beat Photograph』写心家 山口裕朗をよろしくお願い致します。