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Senju
Itabashi
先日、『水道管の中のオルフェウス』の編集をしてくれている望月文人さんと呑みにいこうではないかと、五反田のくらんどに行きました。
発売になったばかりの、『一拳一会〈2〉だからボクシングは面白い』を光吉君に渡せてちょうどいいと思ったのですが、光吉くんは不在でしたので、店長の 北島大輔くんと望月さんとで一枚パチリ。
望月さんは、4月に上野で開催される展示に出展する絵を制作中だそうで、それが一区切りついてから、この夜話した事などを盛り込んで、再編集したオルフェが出来ると思います。
時間が経ちすぎて、大きな声では言えなくなってしまいましたが、『水道管の中のオルフェウス』はまだ終わっていないんです。
千代泰之さんが監修された 『一拳一会〈2〉だからボクシングは面白い』が出版されました。
その中で、田中光吉君のことを写真と文章で紹介させて頂きました。
つたない文章力ですが、ご一読頂けたら幸いです。
空気の重さを知りたいと思った
Senju
スナップ写真 東京邂逅 バックナンバー
僕は凉野康太くんに謝らなければいけません。
2009年3月13日、凉野康太(五代)はリングにかえってきました。
昨年、凉野くんが三浦数馬くんに敗れた試合でみせた、やけに清々しいリングの下り方をみて、凉野くんをもうこの戦いの場で見る事はないだろうと、勝手に思っていました。
何か、彼にやり遂げた充実感の臭いを感じたんです。
三浦くんに敗れて4連敗、この日まで、約3年4ヶ月白星から遠ざかっており、凉野くんが再びこの戦いの荒野へと戻ってくるとは思いもよらない事でした。
それは、僕自身がランク入りをかけた戦いで4連敗を喫して引退した体験が、すくなからず関係していたかもしれません。
涼野くんは、27戦14勝3KO10敗3分け と負けも少なくないのですが、最近の4連敗の対戦相手を見ると、塩谷悠(川島ジム)、阿部元一(ヨネクラジム)渡邉一久(角海老宝石)、三浦数馬(ドリームジム)と、とても質の高い選手ばかりでした。
相手が強かったからといって、凉野くんが強いということにはなりませんが、いつも善戦する彼は、地力があって、ランキングに名前を連ねていてもおかしくない選手だと思います。
対する笛木亮(ジャパンスポーツジム)選手は、15戦13勝10KO1敗1分のハードヒッター。
一昨年のB級トーナメントを制して現在7連勝中。
試合開始のゴングが鳴ると、凉野くんは積極的に前に出てパンチを振るいます。
なかなかタイミングよく右のフックやボディーが当たり、相手の出ばなをくじきました。
そして、初回中盤に、ドンピシャのタイミングでパンチを合わせて笛木が痛烈にダウンします。
立ち上がったものの、レフェリーは再会を許しませんでした。
五代会長と抱き合い、咆哮を上げる凉野くん。
諦めてはいけない。自分の可能性を信じて戦いの場から去らなかったからこそ掴んだ勝利でした。
そんな彼に、もう辞めてしまうのではないかと勝手に書いてしまった僕は、凉野康太に謝らなければいけませんね。
勝手な事を言ってごめんね。
次も写真を撮らせて下さい。
メインイベントは、日本スーパーライト級3位長瀬慎弥(フラッシュ赤羽)くんが、2007年の全日本新人王、迫田太治(横田スポーツ)と対戦。
この試合は、長瀬君がどう勝つか、その勝ち方が大切だと思っていましたが、試合前の控室に顔を出すと、右膝をテーピングでがっちりと固定した長瀬君がいてびっくりしました
「ちょっと怪我しちゃいました。」と苦笑いを浮かべる長瀬君。
試合前にマイナスな事を考えても言われても仕方がありませんし、
「輪島さんみたいに、相手を混乱させようとしているんでしょ。」
と思い当たった言葉を冗談めかして言って、その場を去りました。
戦いのゴングが鳴ると、やはり踏ん張りがきかない様子で、軽快な動きも影を潜めていました。
パワーで押し込まれながらもクリーンヒットを奪います。
そして、判定になり引き分け。
試合後聞くと、前十字靭帯断裂という重傷を抱えていたそうで、その身体でよくもあそこまで戦ったものだと驚きました。
怪我が治って、軽快な動きの長瀬君が戻ってくる日を待ってます。
放熱の破片 vol.18
放熱の破片 vol.35
放熱の破片 バックナンバー
プロボクサー 長瀬慎弥ブログ ≪Road to 真人間≫
Setagaya
福島学34歳、まだまだ現役です。
3月7日、後楽園ホールの興行は、厳選された試合が6試合、全てA級ボクサーの試合でなかなかの好カードでした。
観に来たお客さんには嬉しい興行ではなかったでしょうか。
セミファイナルに登場した福島学(花形)くんは、僕と同い年の34歳、デビューも一年違いで、ユタポン前田さんという共通の対戦相手がいる事もあって、勝手に親近感を覚えています。
福島君は、元日本・元東洋太平洋のバンタム級チャンピオンで、世界タイトルにも挑戦した事があります。この日の試合も入れると、日本人現役最多の46戦のキャリアのベテランです。
試合前、福島君の控室には現役・元チャンピオン達が集まり、福島君の人柄が伝わる和やかなムードです。
この夜は、最近僕が見た福島君の試合の中では最も動きが良く、距離感も抜群でした。
しかし、目の上に刻み込まれた歴戦の傷跡は、開きやすくなっていて、この日も4ラウンドに偶然のバッティングで開いた右目の上が致命傷となり、5ラウンド負傷判定になってしまいました。
もっと試合を見たかったですが、判定は文句無しの勝ちでした。
花形会長の事ですから、今更安易な相手と試合は組まないでしょうし、一戦一戦が正念場になると思いますが、そんな福島君の姿をこれからも記録させてもらいます。
メインイベントは榎洋之(角海老宝石)くんの再起戦。
初の世界挑戦となった前戦では、盤石の王者クリス・ジョンに及びませんでしたが、殻を破る片鱗を見せていただけに、榎君の再起は楽しみにしていました。
この日の対戦相手は、8勝(5KO)1敗1分のインドネシアチャンピオン アルディ・ディエゴ。
戦績を見ると侮れないと思いましたが、榎君は一皮むけていました。
ジャブからの後続打がスムーズに出て、素晴らしい攻撃を見せました。
3ラウンドにボディーブローでKO勝利。
次の試合も楽しみです。
プロボクサー福島学【福ちゃん小話】
プロボクサー榎洋之オフィシャルサイト!
放熱の破片 vol.29
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Shibuya
東京邂逅バックナンバー
Roppongi
雪に覆われた林道をゆっくりと進むと、道を横断する熊の足跡を見つけました。
熊の移動がわかったマタギは、無線で連絡をとり、猟場へと集まります。
猟場が決まると勢子(追手)が配置につくのを待ちます。
勢子は声を出して熊を追うのですが、その間ブッパ(撃ち手)は息を殺して熊の姿を山の中に探して待ちます。
その姿は、まるで忍者のようです。
ブッパの近くで僕もカメラに三脚をセットし、ジッとしているのですが、長靴のゴムを通して、冷気がジワジワと忍び寄り、足の感覚は次第になくなっていきます。