東北山行 その28






















自分が安全な所にいて得られる充実感など、私はいらない。

手袋と手の隙間に入り込んだアブに食らった一撃が、私の手をドラえもんにした。



ブナの森を一人で歩いていると、不思議な畏れを感じる。
人間以外の動物の視線を感じているような、木々に見られているような、何とも言えない怖さだ。
まるで、山の神様の手のひらで彷徨っているような気持ちになる。


