15日から19日まで東北に取材に出かけます。
山口にご用の方は
lopez22@foto-finito.com
にご連絡下さい。
日中は山奥にいて電話が使用出来ないので、お電話でのご連絡は、19時以降にお願い致します。
東北山行 バックナンバー
日本の山では、ジムニーが最強です。
ひょいとUターンだって出来ちゃいます。
東北山行 バックナンバー
山を歩く時に、一重要なツールは、スパイク付きの長靴です。
こいつがないと、ぬかるんだ斜面を登れない。
先月末、秋田県北秋田市で開催されたマタギサミットに参加させて頂きました。
新潟・長野・山形・秋田、日本各地から狩猟文化を持つマタギの方々が集まり、マタギ文化や民俗学を研究されている人達も多数参加され、初めて参加させて頂く僕としては、とても意義ある時間を過ごす事が出来ました。
今春の生息数調査に同行させて頂いたのですが、2日目からは、諸事情により山に同行させて頂く事が出来ませんでした。
マタギの取材をさせて頂く上で、それはとてもショッキングな出来事だったのですが、胸中でもやもやと淀んでいた霧が、マタギサミットで色々な方とお話させて頂くうちに晴れたような気がします。
東北山行バックナンバー
雪に覆われた林道をゆっくりと進むと、道を横断する熊の足跡を見つけました。
熊の移動がわかったマタギは、無線で連絡をとり、猟場へと集まります。
猟場が決まると勢子(追手)が配置につくのを待ちます。
勢子は声を出して熊を追うのですが、その間ブッパ(撃ち手)は息を殺して熊の姿を山の中に探して待ちます。
その姿は、まるで忍者のようです。
ブッパの近くで僕もカメラに三脚をセットし、ジッとしているのですが、長靴のゴムを通して、冷気がジワジワと忍び寄り、足の感覚は次第になくなっていきます。
私がおじゃました夜、マタギの方がワラダという道具をつくっていました。
ワラダとは、わらを円形に編んだものをフリスビーのように投げると、その音がタカの羽音のように聞こえるため、ウサギが驚き穴に逃げ込み、そこを捕まえるための道具だそうです。
現在では、鉄砲の性能が良くなった事もあり、ワラダはつかっていないそうですが、先輩マタギに教わったので、作り方だけでも覚えておこうと、作ってらっしゃいました。
東北山行バックナンバー
毎日の雪下ろしは重労働です。
降雪が多い日には、一日に何度も雪下ろしと雪かきをします。
過疎化の進む山村では、高齢の方も屋根に上がります。
東北山行バックナンバー
村はずれのマタギ神社も、すっかり雪に覆われました。
雪が降ると、マタギの皆さんは山に入って最大の手がかりである熊の足跡を探します。
昨日までは砂利道だった道が一面白くなっていました。
山の中の道では、軽四駆が最も機動力を発揮します。
この東北の山村にも初雪が舞い降りました。
夜。音もなくシンシンと降り積もり、目覚めると雪景色に変わっていました。
これから、長い冬です。
朝、しかり の家に集合して、クラ(猟場)を決めます。
この団らんのひと時は、ゆったりとしていていいもんです。
東北山行バックナンバー
雪が降っていないので、熊がそこにいる最大の痕跡、足跡がみつかりません。
グループの長”シカリ”の判断で猟場(マタギ言葉で”クラ”という)を決め、山に入ります。
年長の方は80を過ぎた人も、何事もなく当たり前の様に、急峻な斜面を登って行きます。
11月15日、狩猟の解禁日の朝、村はずれのマタギ神社にマタギの方々が集まり、山神様に祈りを捧げます。
不思議な呪文を唱え手を合わすその場は、厳かな儀式でした。
例年であれば東北のこの集落では、11月の始めに初雪が降るそうですが、今年の初雪はまだ。
朝夕の冷え込みが、透き通った空気を一層無色にしていくと、このあたりも深い雪に閉ざされた世界へと変わっていきます。
マタギの方にワサビ採りに連れていってもらいました。
林道に車を止めて、そこから道なき道を1時間程山中に入っていくと、沢にそった一体にワサビが群生しています。
ワサビ田で監理されて育っているワサビではないので、大きくても親指大ほどの大きさです。
必要な分だけ採り、小指くらいの小さなものは来年の為に残しておきます。
ひっそりと静まり返った山中を歩いていると、時々 枯れ木の上にクマ棚が表れます。
木の幹には、爪の跡。
猟銃を持ったマタギの方と一緒でなかったら怖くて歩けないなと、大自然の中ではちっぽけな動物である自分に気がつきます。
東北山行バックナンバー
クマは、栗やどんぐりのカラを器用にむいて、実だけ食べていくそうです。
自分が安全な所にいて得られる充実感など、私はいらない。
手袋と手の隙間に入り込んだアブに食らった一撃が、私の手をドラえもんにした。
ブナの森を一人で歩いていると、不思議な畏れを感じる。
人間以外の動物の視線を感じているような、木々に見られているような、何とも言えない怖さだ。
まるで、山の神様の手のひらで彷徨っているような気持ちになる。