沖縄 粟国島 その2
島に港に着くと、荷物の積み降ろしをする人達が集まってきた。
皆、軽トラックの荷台に荷物を積んで、坂道を上って集落へと散って行く。
その中の一台の軽トラックの荷台に乗せてもらい、役場に行く事にした。
今までの旅の経験上、役場に行けば色々な情報が手に入ると思ったからだ。
役場は、のんびりとした静かな空気に包まれていた。
役場から歩いて30分ほどのウーグの浜でテントを張れると教えてもらった。
ウーグの浜は、東京が梅雨明して、夏休みに入るとたくさんの観光客でにぎわうらしいが、今はまだガラガラということだった。
照りつける太陽の下、人通りのない道を汗をぼたぼた滴らせながら重いザックを背負って歩いた。
当時使用していたj-phoneの携帯電話をみると、見事に圏外だった。
東京との連絡は、郵便か公衆電話しかないことが確定し、晴れて自由の身になれた気がして清々した。
それらしい浜に到着すると、公衆シャワ一があり、水もそこで手に入るようだ。
シャワーの脇に1張りのテントが先客としてあった。
挨拶に行くが、留守のようだった。
僕もテントを設営し、ぬるくなった水をガブガブ飲んで、サウナの様なテントの中で横になると、眠りについていた。
夕方、テントの外から誰かに呼ばれる声がして目が覚めた。