森吉山
東北山行 Back Number
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角館 Kakunodate Akita
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ほとんどのマタギが携行している山刀(ナガサ)について。
故 西根稔さん(三代目西根正剛)が作っていたフクロナガサが有名ですが、正剛さんがお亡くなりになった今では、弟弟子の西根登さん(四代目西根正剛)が鍛造しています。
阿仁前田にある西根鍛冶店でナガサ作りを撮影させて頂きました。
フクロナガサというのは、柄の部分が刀身と一体化していて、筒状になっています。
筒の部分に木の棒をさせば槍にもなるというものです。
上の写真は、松橋旅館の松橋利彦さんのもので、三代目 西根正剛さん作。
獲物の解体にも使え、薮こぎもでき、熊とばったり出くわしてしまった時の護身用にもなるので、7寸(約21センチ)くらいの物を持つ方が多いようです。
マタギの皆さんと一緒に山に入る時、西根鍛冶店のナガサを私も携行してます。
鉄砲を持っていないので、いざという時にこれで熊と戦えるかもしれないと、精神的な支えになっている気がします。
獲物を授かった日は親方の所に集まって、獲れたての熊のモツ鍋に舌鼓をうちます。
お金を出してもなかなか食べられないこの鍋は、味はもちろん美味しく、体がぽかぽかしてきます。
御年81になるシカリも、元気に山を歩きます。
ヤマガラ
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森吉山
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東北に撮影に行ってきます。
水曜日に帰京する予定です。
昨年は一度も行けなかったので、いまからワクワクしてますが、長距離の運転なので、気をつけて行ってきます。
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秋田の阿仁に行く時にいつもお世話になっているのが松橋旅館。
先祖代々マタギ、現在の松橋利彦さんで15代目です。
利彦さんが山で採ってきた山菜・キノコ・岩魚を堪能出来るんです。
山で採ってきたものは、口に運んだ時に不思議なエネルギーを持った鮮烈さを感じます。
森吉山辺りには、日本の滝百選に選ばれている 安の滝(やすのたき)や、幸兵衛滝(こうべえだき)・一ノ滝(いちのたき)・二ノ滝(にのたき)・小又峡(こまたきょう)・桃洞渓谷(とうどうけいこく)・赤水渓谷(あかみずけいこく)と言った滝や渓谷がたくさんあり、四季折々の表情を見せてくれます。
何より、都会から遠い事もあり、山の自然が深いです。
本当の大自然を満喫したい方は、是非一度足をお運び下さい。
山で天然ナメコを発見
クマの骨の周りの肉は絶品です。
松橋旅館
郵便番号 018-4735
住所 秋田県北秋田市阿仁比立内字前田表46
秋田内陸線比立内駅から車で3分、徒歩10分
国道105号線より車で1分
電話番号 0186-84-2007
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22日まで東北に取材で出かけます。
日中は山にいる事が多く、連絡がつきずらいと思いますが、里に下りればメールのチェック等出来ると思いますので、山口までご連絡の方は、lopez22@foto-finito.comまでご連絡下さい。
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マタギに同行させて頂いて山で取材するにあたり、ヘルメットを装着するようにしています。
ハイキングコースを歩く訳ではなく、道なき山林や沢を歩くので、生命の危険を感じる場面に多々出会うからです。
目立つと獲物に逃げられてしまうかと思い、色は青のヘルメットにしたのですが、マタギの皆さんは猟友会の派手なオレンジジャケットとオレンジ帽子を着用していました。
仲間に誤射されないようにするためです。
そこで、ヘルメットが目立つように器用な義父にオレンジ色に塗ってもらいました。
カッティングシートで前面にはカメラ、後面には熊、上部にはfoto finitoと入れてくれて、さりげなくおしゃれにしてくれました。
お義父さん、ありがとうございます。
こういったオリジナルグッズが欲しい方は、義父がリーズナブルにカスタムしてくれますので、山口までご一報下さい。(笑)
銀座ニコンサロンで現在開催中の「となりのツキノワグマ」の作者、動物報道写真家の宮崎学さんのフォトセミナーが昨日あり、参加させて頂きました。
高度経済成長期に国策として伐採された山林は、40年の時を経て大きく姿を変えました。
人間が手を入れなくなった山は、動物達にとって餌の豊富な山へと変わったという。
広く大きな視点で山の動植物を観察し続けてきた宮崎さんの写真とお言葉は、とても説得力があった。
ツキノワグマは、滅多な事では姿を人目にさらす事がないのですが、長野県伊那の山中に作られた遊歩道に宮崎さんが設置した無人カメラが捉えた写真には、ハイカー・子供が通る写真に続いてまんまとツキノワグマが写っている。
人間の活動している時間にも、熊はそこを歩いていたんです。
ツキノワグマは積極的に人を襲う性質では無いようですが、運悪く接触してしまえば、あの鋭い爪と牙に痛めつけられるでしょう。
僕は東北に通い、マタギを撮影させてもらっていて、やはり山には餌が豊富にあるなと感じています。
昨年秋の熊の大量出没も、山に餌が無いから人里に下りてきたのではなく、頭数が増えて山を追いやられた熊が人里にはみ出してきたのではないかと考えています。
それでも、狩猟の文化がある秋田の山村では、熊は人が怖いと知っているのか、大胆な行動には出ていません。
これまで生態について謎が多かったツキノワグマが、宮崎学さんの写真を通して知る事が出来ます。
熊は可愛い動物かもしれませんが、そこに住む人達にとって、子供を通学させる道を熊が横断しているなんて恐ろしいことでしょう。
都会に住む我々には関係がないと思うかもしれませんが、奥多摩にも丹沢にも、都心近郊の山にもツキノワグマは住んでいて、家族でハイキングに行ってひょっこり会えるかもしれません。
となりのツキノワグマ
宮崎学さん ツキノワグマ事件簿
http://tukinowaguma.net/
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4月23日-28日まで東北に取材に出かけます。
山口にご用の方は、E-mailか携帯電話にご連絡頂ければ幸いです。
余震も続いておりますし、いつも以上に運転には気をつけていこうと思います。
この度の東北地方太平洋沖地震でお亡くなりになった方達のご冥福と、東北地方の一日も早い復興を心より祈ります。
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15日から19日まで東北に取材に出かけます。
山口にご用の方は
lopez22@foto-finito.com
にご連絡下さい。
日中は山奥にいて電話が使用出来ないので、お電話でのご連絡は、19時以降にお願い致します。
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日本の山では、ジムニーが最強です。
ひょいとUターンだって出来ちゃいます。
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山を歩く時に、一重要なツールは、スパイク付きの長靴です。
こいつがないと、ぬかるんだ斜面を登れない。
先月末、秋田県北秋田市で開催されたマタギサミットに参加させて頂きました。
新潟・長野・山形・秋田、日本各地から狩猟文化を持つマタギの方々が集まり、マタギ文化や民俗学を研究されている人達も多数参加され、初めて参加させて頂く僕としては、とても意義ある時間を過ごす事が出来ました。
今春の生息数調査に同行させて頂いたのですが、2日目からは、諸事情により山に同行させて頂く事が出来ませんでした。
マタギの取材をさせて頂く上で、それはとてもショッキングな出来事だったのですが、胸中でもやもやと淀んでいた霧が、マタギサミットで色々な方とお話させて頂くうちに晴れたような気がします。
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雪に覆われた林道をゆっくりと進むと、道を横断する熊の足跡を見つけました。
熊の移動がわかったマタギは、無線で連絡をとり、猟場へと集まります。
猟場が決まると勢子(追手)が配置につくのを待ちます。
勢子は声を出して熊を追うのですが、その間ブッパ(撃ち手)は息を殺して熊の姿を山の中に探して待ちます。
その姿は、まるで忍者のようです。
ブッパの近くで僕もカメラに三脚をセットし、ジッとしているのですが、長靴のゴムを通して、冷気がジワジワと忍び寄り、足の感覚は次第になくなっていきます。
私がおじゃました夜、マタギの方がワラダという道具をつくっていました。
ワラダとは、わらを円形に編んだものをフリスビーのように投げると、その音がタカの羽音のように聞こえるため、ウサギが驚き穴に逃げ込み、そこを捕まえるための道具だそうです。
現在では、鉄砲の性能が良くなった事もあり、ワラダはつかっていないそうですが、先輩マタギに教わったので、作り方だけでも覚えておこうと、作ってらっしゃいました。
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毎日の雪下ろしは重労働です。
降雪が多い日には、一日に何度も雪下ろしと雪かきをします。
過疎化の進む山村では、高齢の方も屋根に上がります。
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村はずれのマタギ神社も、すっかり雪に覆われました。
雪が降ると、マタギの皆さんは山に入って最大の手がかりである熊の足跡を探します。
昨日までは砂利道だった道が一面白くなっていました。
山の中の道では、軽四駆が最も機動力を発揮します。
この東北の山村にも初雪が舞い降りました。
夜。音もなくシンシンと降り積もり、目覚めると雪景色に変わっていました。
これから、長い冬です。
朝、しかり の家に集合して、クラ(猟場)を決めます。
この団らんのひと時は、ゆったりとしていていいもんです。
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雪が降っていないので、熊がそこにいる最大の痕跡、足跡がみつかりません。
グループの長”シカリ”の判断で猟場(マタギ言葉で”クラ”という)を決め、山に入ります。
年長の方は80を過ぎた人も、何事もなく当たり前の様に、急峻な斜面を登って行きます。
11月15日、狩猟の解禁日の朝、村はずれのマタギ神社にマタギの方々が集まり、山神様に祈りを捧げます。
不思議な呪文を唱え手を合わすその場は、厳かな儀式でした。
例年であれば東北のこの集落では、11月の始めに初雪が降るそうですが、今年の初雪はまだ。
朝夕の冷え込みが、透き通った空気を一層無色にしていくと、このあたりも深い雪に閉ざされた世界へと変わっていきます。
マタギの方にワサビ採りに連れていってもらいました。
林道に車を止めて、そこから道なき道を1時間程山中に入っていくと、沢にそった一体にワサビが群生しています。
ワサビ田で監理されて育っているワサビではないので、大きくても親指大ほどの大きさです。
必要な分だけ採り、小指くらいの小さなものは来年の為に残しておきます。
ひっそりと静まり返った山中を歩いていると、時々 枯れ木の上にクマ棚が表れます。
木の幹には、爪の跡。
猟銃を持ったマタギの方と一緒でなかったら怖くて歩けないなと、大自然の中ではちっぽけな動物である自分に気がつきます。
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クマは、栗やどんぐりのカラを器用にむいて、実だけ食べていくそうです。
自分が安全な所にいて得られる充実感など、私はいらない。
手袋と手の隙間に入り込んだアブに食らった一撃が、私の手をドラえもんにした。
ブナの森を一人で歩いていると、不思議な畏れを感じる。
人間以外の動物の視線を感じているような、木々に見られているような、何とも言えない怖さだ。
まるで、山の神様の手のひらで彷徨っているような気持ちになる。