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写真の記憶

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友人、家族、ボクサー、現場で一緒に仕事をした人達、レンズを向けさせてもらった人達には、出来る限りプリントした写真を後日お渡しするようにしています。
 
 


先日祖母が93歳で亡くなりました。
 
告別式の時に、親戚の方が祖母の所有していたアルバムを持ってきてくれて、皆で見ました。
僕の知らない、若き日の祖父母、幼い日の伯父や父や叔母が写っていました。
 

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その時代を生きてきた人は、写真に写る情報から様々な記憶を蘇らせることが出来ます。
 

思い出にすがって生きていくのはつらい事ですが、思い出の無い人生はもっと寂しいんじゃないだろうか。
 

 
過ぎ去る時は絶対に戻ってきませんが、写真にはそれを記録する力があり、記録するということは、写真にとっての大きな使命だと常々思うのです。
 
 
現代ではデジタルカメラが銀塩に代わって主流となり、写真屋さんでプリントしなくなってしまった人が増えているようですが、データは、しっかりとバックアップをとっておかないと一瞬にして全てが失われる事があります。
SDカードやコンパクトフラッシュに溜め込んであるデータは、是非写真屋さんでプリントして、物質として残して下さい。
 

 
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友人達に僕が渡している写真は、酔っぱらっている時に撮っているものもあるし、目をつぶってしまっているものもあります。
それでも、何年か経って、その一枚の写真を肴に楽しい酒が呑めればいいな。
そんな思いでカメラを手にして生きたいと思います。
 
 
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Profile

山口裕朗(やまぐちひろあき)
1999年プロボクサーとして17戦10勝(6KO)7敗の戦績を残し引退後、2002年 「サンデー毎日」で写真家としてデビュー。
2005年 ボクシング引退後、撮り続けている、かつての対戦 相手達の写真を、写真展『放熱の破片(かけら)』で発表。
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