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Heart Beat Photograph Vol.152

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15歳以下のボクシング全国大会U-15(アンダーフィフティーン)が開催されました。

真剣勝負だから勝ち負けは大切ですが、負けた少年・少女に

「なにやってんだ。」

といった言葉を投げつけるセコンドがいた事がとても残念でした。

誰もがメイウェザーのようなスピードを持っている訳ではないし、リゴンドーのような距離感もないし、内山高志や山中慎介のような破壊力をもっている訳ではないんです。


ボクシングは、一生懸命やらないと殴られる競技。
選手は頑張るしかない。
それでも能力には差があって、勝ち負けは出る。

中学生以下の大会に、勝利こそ最高の成果という考えは必要ないと私は思います。

ボクシングを通して、大切な事を感じられればいいんです。
その中で、中学卒業後にもボクシングを続けるかどうかを決めれば良い。

「選手がうまく戦えなかったのは、選手が出来る事をうまく伝える事が出来ないあなたの責任でしょ。」

と心の中でつぶやきながら、撮影していたのですが、そんな嫌な気持ちをかき消してくれるセコンドもいました。

TEAM 10 COUNTジムの川端龍也トレーナーは、ストップされた少女が涙をこらえながら自らのコーナーに戻ってきた時、よく頑張ったなと笑顔で迎えてあげました。

川端トレーナーだけではなく、いいなと思えるシーンを沢山の指導者の方から見る事が出来、良い選手も沢山見る事が出来、日本のボクシング界の未来には光明が射しているなと感じた大会でした。


写真は、プロの試合で選手と抱擁する川端トレーナー。
彼が選手をしかる姿を一度も見た事がありません。

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Profile

山口裕朗(やまぐちひろあき)
1999年プロボクサーとして17戦10勝(6KO)7敗の戦績を残し引退後、2002年 「サンデー毎日」で写真家としてデビュー。
2005年 ボクシング引退後、撮り続けている、かつての対戦 相手達の写真を、写真展『放熱の破片(かけら)』で発表。
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