放熱の破片 vol.15
川崎タツキさん(草加有沢)と新井恵一さん(高崎)の試合は激戦でした。
川崎さんは4月に石田順裕(金沢ジム)の持つ日本スーパーウェルター級タイトルに挑み、6ラウンドTKOで敗れてからの再起戦、
新井さんは昨年の日本ウェルター級タイトルマッチで、チャンピオン大曲輝斉(ヨネクラ)をあと一歩のところまで追いつめていながら、逆転KO負け。1月の湯場忠志(都城レオS)戦もKO負けと連敗中。
両者ともに再浮上をかけた試合です。
序盤は川崎さんの左ストレートがきまり、4Rにはダウンも奪い、川崎さんペースで進むのですが、中盤から打ち終わりを狙った新井さんのパンチが当たりだし、川崎さんの腰が落ちるシーンが何度か見られる打撃戦に突入していきました。
前に出て重たいパンチを振り回す川崎さんの隙をついて、絶妙なクリーンヒットを奪う一進一退の攻防に興奮を抑えることが出来ません。
熱気で溢れかえった会場で、最終10ラウンドまで殴り合いは続き、判定で川崎さんの手が上げられました。
今夜の戦いは、世界のトップレベルを競い合うものではなかったのかもしれないけれど、ボクシングの醍醐味を味あわせてくれたんじゃないか、そんな風に感じます。