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放熱の破片  番外編  闘いの代償

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「何してるんですか?」
 
そう尋ねると、
 
「片目が見えてるのか不安になるから、時々自分の手が見えてるか確認しちゃうんだよ。」
 
彼はそう答えました。
 

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先日、田中光吉くんと、シャイアン山本ジムの山本会長と大嶋宏成さんと朝まで酒を酌み交わしていると、時々大嶋さんが、片目を閉じて自分の手を動かしながら見ているんです。
 
大嶋さんは、ラストファイトの木村登勇さんとの試合で網膜剥離になり、現役を引退しました。

手術は終わっていますが、今でも片方の目はハッキリ見えないそうです。
 
そして、本当に明かりが失われていないかを確認してしまう。
 
 

そんなふとした仕草が、ボクシングの切なさを感じさせる・・・。
 
 
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Profile

山口裕朗(やまぐちひろあき)
1999年プロボクサーとして17戦10勝(6KO)7敗の戦績を残し引退後、2002年 「サンデー毎日」で写真家としてデビュー。
2005年 ボクシング引退後、撮り続けている、かつての対戦 相手達の写真を、写真展『放熱の破片(かけら)』で発表。
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