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diary2月6日

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人との出会いに、不思議な縁を感ぜずにはいられません。

それは、僕がまだ現役ボクサーの頃でした。
 

 当時の僕は、A級トーナメントの1回戦で、後の日本チャンピオン キンジ天野くんに敗れ、3連敗を喫していました。
初めて『こいつは強い』と感じさせられた欽二くんに喫した敗戦は、大きな傷となり、僕の心に深く突き刺さっていました。 

 詳しくは「私とボクシングvo.1」に書きましたが、その敗戦からボクサーとしての自信を失ったぼくは、鹿児島から東京まで自転車の旅に出ました。
 
その旅に出るまでジムに行く気もおきず、しばらくの間東京でもやもやとした時間をただいたずらに過ごしていました。
その日も、下北沢でバーを営んでいらしたジムの先輩で元日本ジュニアフライ級チャンピオンの田中正人さんのお店に行って、優しい先輩に話を聞いてもらっていました。
小さなカウンターだけのお店で、隅っこにいた男性から、
 
「山口選手ですよね?」
  
と声をかけられました。
 
声の主は、船橋真二郎と名乗りました。
 
自分の進退の事で頭がいっぱいだった当時の僕には曖昧な記憶しか残っていないのですが、僕とキンジくんの試合の話をしたような記憶が残っています。
 
それから2年経ち、ボクシングを引退して写真の道に進みはじめた僕は、その日も田中さんのお店でお酒を呑んでいました。
 
すると、船橋さんが先客でいらして、言葉をかわしました。

当時、ジムの先輩で元東洋太平洋バンタム級チャンピオンの新田渉世さんにお誘い頂いた、Talk is cheapというサイトに参加させて頂いていました。

船橋さんは、文章をお書きになるそうで、Talk is cheapに書かせてもらえないかということで、当時編集をされていた菊坂尚冬さんに紹介し、船橋さんもTalk is cheapに参加する事になりました。
 

船橋さんの『彼らの肖像』で写真を提供する事が増え、いつのまにか、歳も1つ違いの船橋さんとは、次第に友人としてつきあうようになっていました。

今では、sports naviで一緒に仕事をしたり、お酒を呑みに行ったりと、気がつけば6年の付き合いになります。
 
彼の書く文章は、整然としているようでいて、感情的な温もりを感じさせるもので、とても素晴らしい文章です。 
 

そんな船橋さんと今夜も2人でお酒を呑んできました。

呑み屋さんのカウンターで知り合った人と、こうして友人として付き合っている、不思議な縁はどこに転がっているかわからないものです。
 


 
(以外と船橋さんの写真がないもので、こんな写真を出してしまってごめんね)
 

Talk os cheap 船橋真二郎『彼らの肖像』
http://www.tic-box.com/doc-funa/funa-index.html
 
 

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Profile

山口裕朗(やまぐちひろあき)
1999年プロボクサーとして17戦10勝(6KO)7敗の戦績を残し引退後、2002年 「サンデー毎日」で写真家としてデビュー。
2005年 ボクシング引退後、撮り続けている、かつての対戦 相手達の写真を、写真展『放熱の破片(かけら)』で発表。
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